Arduino Uno R3とR4の違いを徹底比較|性能・端子・互換性・価格帯
Arduinoを買おうとすると、店頭やサイトで2つの選択肢を目にします。「Uno R3」と「Uno R4」です。どちらも見た目はよく似ています。しかし、中身の性能には大きな差があります。本記事では、性能・端子・互換性・価格帯という観点から、両者の違いを整理します。あわせて、初心者にどちらが向くかまで解説します。
01結論から:Uno R3とR4、何が違うのか

一言でいうと「頭脳が別物になった」
Uno R3とR4の違いを、一言で表してみましょう。搭載されているマイコンチップそのものが変わった、という点に尽きます。R3は、長年使われてきたAVR系の8ビットチップです。「ATmega328P」を搭載しています。一方R4は、ルネサス社製の32ビットチップを積んでいます。「RA4M1」という型番です。Arduino公式ブログの発表記事でも、この変更が今回のモデルチェンジの中核だと説明されています。
それでも見た目とサイズはほぼ同じ
中身は大きく変わりました。それでも、外見は驚くほど共通しています。基板の大きさ、ピンの配置、5Vという動作電圧です。これらはR3からそのまま引き継がれています。そのため、これまでR3向けに作られてきたシールドや作例には利点があります。多くが、R4でも活用できるのです。
これからArduinoを始めるMさんは、書店でR3の入門書を購入していた。しかし、店頭ではR4しか売っていなかった。不安に思って調べてみた。すると、基本的な使い方は共通していることが分かった。digitalWrite()やanalogRead()といった基礎的な関数がある。これらは、R3・R4どちらでも同じように使える。書籍がR3を前提にしていても、多くの内容はR4でそのまま試せます。
02性能面の比較|処理速度とメモリ

クロック速度は3倍
まず、動作の速さを見てみましょう。R3のクロック速度は16MHzです。対してR4は48MHzで動作します。単純計算で3倍の速さです。
メモリの増加はさらに大きい
メモリの差は、クロック速度以上に顕著です。プログラムを保存するフラッシュメモリがあります。R3の32KBに対し、R4は256KBです。8倍になっています。作業用のメモリであるSRAMも同様です。R3の2KBに対し、R4は32KBです。16倍に増えています。
| 項目 | Uno R3 | Uno R4(Minima/WiFi共通) |
|---|---|---|
| マイコン | ATmega328P(8ビット) | Renesas RA4M1(32ビット Arm Cortex-M4) |
| クロック速度 | 16MHz | 48MHz |
| フラッシュメモリ | 32KB | 256KB |
| SRAM | 2KB | 32KB |
| EEPROM | 1KB | 8KB相当(フラッシュ上でエミュレート) |
この性能差が意味すること
この差は、単なる数字上の違いにとどまりません。複雑な計算処理や、大きなプログラムを書きたい場合に直結します。R3には制約があります。メモリ不足によってプログラムが書き込めない、という壁にぶつかることがあるのです。R4であれば、そうした制約にかかりにくくなります。将来的に本格的なプロジェクトへ発展させたい場合、この余裕は大きな意味を持ちます。
03端子・機能面の比較|R4で新たに増えたもの

USB-Cとネイティブなアナログ機能
USB端子の形状も変わりました。R3は昔ながらのUSB-B端子です。R4は、現在主流のUSB-C端子を採用しています。アナログ入力の精度にも違いがあります。R3のアナログ入力は10ビット固定です。R4は少し柔軟です。既定では互換性のため10ビットですが、設定によって12ビットや14ビットまで分解能を上げられます。より細かい電圧の変化を読み取れるようになります。
DAC・CANバス・RTC・オペアンプ
R4には、R3になかった機能もいくつか追加されています。Arduino公式ブログを確認してみましょう。12ビットのDAC(デジタル-アナログ変換)が搭載されたとあります。これにより、なめらかなアナログ信号を直接出力できます。加えて、いくつかの部品も新たに加わりました。CAN通信に対応するハードウェア、オペアンプ、時計機能を持つRTC(リアルタイムクロック)です。
R4 WiFiだけの追加機能
R4には、MinimaとWiFiという2つのモデルがあります。WiFi版には特別な部品があります。無線通信用のESP32-S3モジュールが追加で搭載されているのです。Wi-FiとBluetoothの両方に対応します。さらに2つの機能も加わります。12×8ドットのLEDマトリックスと、センサー接続に便利なQwiicコネクタです。
| 機能 | Uno R3 | Uno R4 Minima | Uno R4 WiFi |
|---|---|---|---|
| USB端子 | USB-B | USB-C | USB-C |
| DAC | 非搭載 | 12ビット搭載 | 12ビット搭載 |
| CANバス | 非搭載 | 搭載 | 搭載 |
| RTC | 非搭載 | 搭載 | 搭載 |
| Wi-Fi/Bluetooth | 非搭載 | 非搭載 | 搭載(ESP32-S3) |
| LEDマトリックス | 非搭載 | 非搭載 | 12×8ドット搭載 |
04互換性|シールドやコードはそのまま使えるか
基本的にはそのまま使える
結論から言いましょう。多くのシールドやコードは、R4でもそのまま動きます。前述の通り、いくつかの要素が共通しているためです。基板サイズ、ピン配置、動作電圧です。Arduino公式のUno R4 Minima製品ページでも、この点が強調されています。既存のシールドやプロジェクトをそのまま移行できる、とあります。digitalWrite・analogRead・delayといった基本的な関数も同様です。R3・R4どちらでも変わらず使えます。
一部のライブラリは書き換えが必要
ただし、注意すべき例外もあります。SoftwareSerialライブラリは、R4では使えません。代わりの手段があります。ハードウェアシリアルであるSerial1(D0/D1ピン)を使う必要があります。また、高度なコードにも注意が必要です。AVRのタイマーレジスタを直接操作するようなコードは、R4では動作しません。マイコンのアーキテクチャ自体が異なるためです。この場合は、別のライブラリへの置き換えが必要になります。FspTimerのようなライブラリです。
編集部の見解を共有します。初心者のうちに使う範囲のコードなら、互換性を気にする場面はほとんどありません。SoftwareSerialや低レベルなレジスタ操作は応用的な内容です。ある程度慣れてから扱うものだと考えてください。まずは気にせず、基本の使い方から始めることをおすすめします。
05電源電圧と価格帯の違い
電源電圧の対応範囲が広がった
電源についても違いがあります。R3の推奨入力電圧は7〜12Vです。R4は、この範囲が大きく広がりました。公式ブログによると、最大24Vまでの電源に対応するよう改良されています。より幅広い電池やアダプターを選びやすくなった、と言えるでしょう。動作電圧自体に変化はありません。R3・R4ともに5Vのままです。
価格帯の考え方
価格については、断定を避けます。時期や販売店によって変動しやすいためです。一般的な傾向はあります。Uno R3・R4 Minima・R4 WiFiの順に、搭載機能が増えます。それにつれて、価格も上がっていく設計です。特にR4 WiFiには特徴があります。無線モジュールが追加される分、3機種の中でもっとも高価格帯に位置づけられます。購入前には、公式ストアや正規販売代理店で最新の価格を確認することをおすすめします。
06どちらを選ぶべきか|用途別ガイド

R3が向いている人
R3は、長年の実績があるモデルです。ネット上のチュートリアルや書籍には特徴があります。多くが、今もR3を前提に書かれています。情報量の豊富さを最優先したい方もいるでしょう。すでにR3を持っていて、特に不満がない方もいるでしょう。そうした方には、無理に買い替える必要はありません。価格の面でも、こなれた選択肢になりやすい傾向があります。
R4 Minimaが向いている人
これから新しく購入する初心者の方には、R4 Minimaをおすすめします。性能に余裕があるからです。学習が進んで扱う内容が複雑になっても、買い替えの必要が少なく済みます。USB-C端子も、今の時代には扱いやすいポイントです。
R4 WiFiが向いている人
ある構想をお持ちの方もいるでしょう。インターネット経由でデータを送信したい、スマートフォンと連携させたい、といった構想です。そうした方には、R4 WiFiが向いています。無線モジュールを後付けする手間や配線が省けます。最初から無線通信を組み込んだプロジェクトを計画しやすくなります。
07乗り換える際の注意点
症状別の対処早見表
| 症状 | 主な原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| SoftwareSerialを使ったコードが動かない | R4はSoftwareSerialに対応していない | Serial1(D0/D1)などハードウェアシリアルに置き換える |
| タイマー関連のライブラリでエラーが出る | AVR専用のタイマーライブラリを使っている | FspTimerなど、R4対応のライブラリに置き換える |
| 特定のシールドが正しく動作しない | そのシールドがR4に未対応 | メーカーの対応状況を確認し、代替シールドを検討する |
| EEPROMへの書き込み回数を気にしている | R4はフラッシュメモリでEEPROMをエミュレートしている | 寿命特性が異なる点を踏まえ、頻繁な書き込みは避ける |
| 書き込み時にボードが認識されない | USB-Cケーブルの品質、またはドライバの問題 | データ通信対応のUSB-Cケーブルを使う、IDEを最新版にする |
迷ったら公式情報を確認する
長年R3を使ってきたJさんは、R4 Minimaに買い替えた。ほとんどのプロジェクトはそのまま動いた。しかし、1つだけ問題があった。赤外線リモコンの送受信に使っていたライブラリだけがエラーを出したのだ。調べてみると、原因が分かった。そのライブラリが、AVR専用の低レベルな処理に依存していたのだ。R4対応版のライブラリに切り替えると、問題なく動くようになった。すべてが完全互換ではない、と知っておくことが大切です。
08よくある質問
基本のQ&A
応用のQ&A
関連記事・参考資料
基礎を学べる記事
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参考資料(外部・一次情報)
- Arduino Blog「Arduino UNO R4 is a giant leap forward for an open source community of millions」, https://blog.arduino.cc/2023/03/25/arduino-uno-r4/
- Arduino Official Store「UNO R4 Minima」, https://store.arduino.cc/products/uno-r4-minima
※本記事の性能・機能に関する情報は、Arduino公式の発表内容に基づいています。価格は変動するため、購入前に公式ストアや正規販売代理店で最新情報をご確認ください。
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